「インク成分が凝集する」ってどういうことだろう?ある成分の分子が集まって塊になることなのか、成分が構成する粒子が集まって塊になることなのか、単にインクが固まることなのか、「凝集」の定義と特定の文章の中で意味していることが一致しない場合が多いようにも感じている。書いてある内容から判断するに、インクの水分が蒸発して固まることを言っていると思うのだけれど、どういう訳語が適切なのかしら、ともう何年も、この...
特定の分野では、組成物の含有量をいう際に「内掛け」とか「外掛け」とかいう言葉を使うらしい。利益の計算ではよく使うらしいが、含有量の「内掛け」とか「外掛け」ってどういうこと?ということで、調べてみた。「内掛け」とは、組成物全体(計算に含めない成分の除いた全体)を100質量%としたときに、100質量%中のそれぞれの成分割合例えば、「耐火軽量骨材を内掛けで90質量%含む」とあれば、耐火軽量骨材の含有量を...
インボイス制度が10月から開始される予定だ。極簡単にいうと、零細業者や個人事業主も消費税の免税認めないからね、いう制度だ。フリーランスの私は、取引先から課税業者になるか免税業者のままでいるかの選択を迫られていた。インボイスを発行できる課税業者になるなら今まで通り仕事を回すけれど、免税業者のままなら単価さげるからねとか、徐々に発注はしなくなるかもねとか。そうでなくとも単価が下がり続けているので、私た...
例えば組成物の発明の明細書には実施例として具体的な例が記載されている。市販の薬品や材料などを使用する場合、製造業者の名前が、例えば、Irgacure 819((BASF社製)などと併記されている。この会社名については、翻訳者が調べて正式な会社名を書くことと指示されることが多いのだけれど、最近はグローバル企業が多くて、国ごとに社名が違っていたり、ホールディングスの形態をとっていると中で細かくいくつもの会社を持ってい...
特許明細書では「対向する」という語は「向かい合っている」という意味で使われる。訳語には"opposite" や “oppose”が使われることが多い。例えば、These walls are opposite/opposed to each other.でも、opposite toだと「向かい合う」のか、その反対の「背中合わせ」の意味か分からない。「得られた印刷物を、インクが付着した印刷面とインクが付着していない非印刷面とが対向するように積み重ねる」という場合、印刷した紙を次...
分子の一部分を moiety という。Wikipedia には次のように記載されている。https://en.wikipedia.org/wiki/Moiety_(chemistry)In organic chemistry, a moiety is a part of a molecule that is given a namebecause it is identified as a part of other molecules as well.Typically, the term is used to describe the larger and characteristic parts oforganic molecules, and it should not be used to describe or name sm...
あるフィルムの収縮率についていの説明で、「最も収縮する少なくとも一方向における収縮率」という表現があった。最初、「最も収縮する方向が複数あって、そのうちの少なくとも一方向の収縮率」と解釈して、"the shrinkage at least one of the directions providing the largest shrinkage"と訳したのだけれど、最大の収縮率を示す方向が複数あったとしても、その場合の最大収縮率は同じじゃないかと、自分の間違いにはっとした。...
最近の英文明細書は、preferably という表現を避けて、複数の実施形態を優劣をつけずに in some embodiments や may を使って、淡々と描写することが多い。同様に、様々な実施形態のなかの一つを例示する際には、in an embodiment とすることが多い。日本の明細書であれば「好ましくは、XはYである」となるであろうとことろを”In some embodiments, X is Y” とか ”X may be Y" と記載しているし、「例えば、XはYであってもよい」...
”The novel features believed characteristic of the invention are set forth in the appended claims.”和訳はあまりやらないのだけれど、来週から始まる講義の準備をしていたら、こんな文に行き当たった。調べてみたら、特許にはよく出てくる表現のようだ。文法的にはどう解釈すればいいのだろうか?元の形は“believe the novel features (to be) characteristic of the invention” ということか? でも訳が難しい。「本...
物質の含有量を "content" と訳すことが多い。例えば、含水量、金属量、アルコール分などは "water content"、"metal content"、"alcohol content"。でも、"the content of water of the composition" というのには非常な違和感を覚える。最近、日本人の訳した特許文書には、この表現が非常に多い。「前記組成物中の前記xx化合物の含有量」なんて文だと、大概the content of the xx compound in the compositionて訳してある。でも...