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能楽『碇潜』のお話

「碇潜」と書いて 「いかりかづき」と読むそうだ。かずき(潜き)って私のPCでは変換できないのだけれど、広辞苑には載っていた。「水中にもぐること。または、その人。」だそうだ。「淡海(おうみ)の海に潜せな」と古事記の例も。「碇潜」は、「壇ノ浦の戦い」で海に沈んだ平家の武将のお話。祖母・二位尼(にいのあま)にいざなわれて、三種の神器とともに入水した幼い安徳天皇と運命を共にした総大将・平知盛の修羅の苦しみ描...

能楽『杜若』のお話

伝統文化交流協会が主催する「味方玄の能楽ちょっといい話」という会が時々ある。今回は「杜若」。季節的に選ばれたということもあるけれど、7月に味方さんが主催するテアトル・ノウでご自身が舞われる曲の紹介という意味もあるのだろ。テアトル・ノウのチケットをすでに先行予約している私としては、公演前にぜひお話を伺いたい。ということで会場の清澄庭園まで出かけた。『杜若』は『伊勢物語』第九段の歌を題材にした曲だ。 ...

オペラ「アイーダ」@新国立劇場

新国立劇場の25周年記念公演『アイーダ』の千穐楽に行ってきた。演出はフランコ・ゼッフィレッリ。この『アイーダ」 は新国立劇場の記念公演としての定期的に上演されている。前回は2018年4月に20周年記念公演は私も観た。前回の公演についてはここで少しだけ書いた。華やかな衣装、装飾を凝らした舞台は前回と同じなのだけれ、総勢300人を超える出演者が舞台の上に集まっている光景は、コロナ禍では無理だったのではないかと思う...

第3回「こがねい春の能」へ

観世流能楽師で、期待の若手と勝手に私が押している川口晃平さんが主宰する「こがねい春の能」を観に小金井宮司楽器ホールへ。能楽堂ではなく一般のホールでのお能だ。シテは舞台に柱がないと舞えないので、代わりにガラスの柱が3本だっていた。屋根もないので空間が広いく舞台がとても大きく見えた。ガラスの柱から反射する光が効果的。壁には松はなく、橋掛かりにもない。ガラスの柱だけの舞台で仕舞が2曲と狂言「清水」。能が始...

能楽「三人の会」へ

3月11日はちょっとハードな一日だった。3.11のチャリティーコンサートに行く前に、観世能楽堂でお能を鑑賞。「三人の会」という観世流の若手シテ方能楽師三人が主催する会の特別公演があったのだ。三人のうちのひとり川口晃平さんは、私が最近注目している能楽師。「山姥」を舞った。晃平さんは声が通って、謡がとても心地よい。舞も大きくて美しい。ところで、観世能楽堂は今回が初めて。実は来年、ここの舞台で踊る予定。と...

味方玄の「能楽ちょっといい話」

伝統文化交流協会主催「味方玄の『能楽ちょっといい話』」を聴きに清澄庭園内の大正記念館まで出かけた。今回は、木曽義仲の忠臣かつ愛妾として語り継がれる女武者・巴御前のお話、戦場に散った気高き愛のお話だ。主君とともに命を絶つことを許されなかった女性の無念と悲しみを描いた曲。年配の能楽師が舞うよりも若い方のほうがふさわしいそうだ。木曽義仲が亡くなった後のお話は、昨年の大河でも描かれていたけれど、彼女がその...

京都で踊ってきました

TOKYO日本舞踊LIFEの京都舞踊会が10月9日に開催され、私も京都で踊ってきた。場所は平安神宮すぐそばの岡崎庵という結婚式場。そこに能舞台のような真四角の舞台があり、そこをお借りしての舞踊会。本物に触れるのは大切という師匠の考えで、着付、結髪から地方まですべて一流のプロをそろえてのお会だった。とはいえ、私はまだ生の演奏で踊るほどの技量もなく費用も掛かるので、音源はCD。師匠が雨女なので、やっぱり雨の一日だっ...

DenBun 能「融」

もう1週間がたってしまうのだが、矢来能楽堂で味方玄さんの「融」を鑑賞した。DenBun 能というのは、一般社団法人伝統文化交流強化が主催する能公演のこと。今回はその第1回目。小書きに「舞返」に蝋燭能の演出。蝋燭のともる特別な空間で、味方さんの舞ぞ存分に堪能でしたし、シテ方味方さんの謡と地謡と囃子の見事なハーモニーがまるで和製オペラのように能楽堂にいっぱい響き渡りとても素晴らしかった。最近注目している川口晃...

味方玄の能楽ちょっといい話

先週、伝統文化交流協会主催の標記の講座に参加した。毎月参加している氷川まり子さんの能楽講座は、舞台の背景中心のお話だけれど、今回のは、能楽師による詞章の解説を中心にしたもの。年に何回か開催されてていてれ、味方さんファンとしてはぜひとも聞いてみたいとは思っていたのだけれど、なかなかスケジュールが合わなかったところ、ようやく願いが叶ったというもの。お題は、月の名曲『融』。かつて左大臣源融の邸宅があった...

4月の能は『八島』

国立能楽堂定例公演を鑑賞。今月のテーマは千利休生誕500年。狂言「通円」は、日本最古のお茶屋として有名な通円の茶坊主のお話。囃子・地謡があって、シテが面を着ける能の形式の狂言だ。こういう型の狂言を「舞狂言」というらしい。お隣の席には、茶道をやっていると思われる女子大生。しぐさや詞の端々にお茶の言葉が出てくるので、より深く舞台を味わえたのではないかと、ちょとうらやましく思えた。能は「八島」。以前にも観...