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あまりにも突然にPCが逝ってしまった

あれは先週の金曜日のことだった。

その日のうちに納品しなければいけない案件があり、月一の着付け教室のゼミもお休みして仕事をしていた。そしてもう少しで完了というころで、突然、プチッという音とともにディスプレイが真っ暗に。

えっ?  でも、ま、そういうこともたまにはあるかも、とPCの電源ボタンを押してみたのだが、動かず。電源ボタンはたまにゆっくり点滅するも、ほかのインジケータランプが全部消えている。こんなことは今までなかったので、少し背筋が寒くなる。冷や汗たらり。
納品時間もせまり、逝ってしまったかもしれないやつをいじくりまわしている暇はないので、予備のPCを起動し、作業を開始。
こんなこともあろうかと、常に予備のPCは同期をとっているので大事なデータが消えてしまうことはない。しかも最近はクラウドなんていう便利な機能が快適に使えるので、ほぼほぼ同じ環境で作業ができるようになる。

しかし、同じPCなら保存してないデータも再起動後に回復できるところを、別のPCだとそういうわけにはいかない。残念なことに約2時間分の作業が無駄になってしまった。そんなわけで、結局、その日のうちに納品すること叶わず。
壊れたのは、一昨年10月に購入した東芝Dynabook。仕事でノートPC使うのはこの機種が初めてだったが、大き目のディスプレイと東プレのキーボードをつないで快適に使えていた。ノートの場合、自分で筐体開けてあれこれすることができないので、あきらめが早いし、症状から判断してマザーボードが壊れたようだったので、すぐに東芝のサポートに修理を依頼し、現在入院中。治療費はたぶん3万5000円くらいと思われる。
  
さて、予備のPCというのは Epson の Endeavor。もう減価償却してしまったのでたぶん5年くらい前に購入したもの。 一昨年に問題のDynabookを買うきっかけとなったPCでもある。Windows 10をうっかりインストールしてしまったがために動作が不安定になって、Dynabookを買ったのだった。
その後、Windows 7を再インストールして、すっきりリフレッシュして生まれ変わらせ、予備として使っていたのが役に立ったというわけである。しかし、なぜか、こいつも妙に調子が悪い。RAIDが常に修復作業をしているのだ。

今、こいつが壊れたら最悪だと思った瞬間に、すでにyodobashi.comで、そこそこのスペックで、とにかく即納できるPCを購入していた。都内ならその日のうちに納入できる。過剰なサービスだと常々思っていたのだがこういう時にはありがたい。と、いうのは月曜日のことだった。
Lenovoのデスクトップで12万円ちょっとだったかな?  修理代と合わせて15万円超だ。痛い。
キーボードもディスプレイもマウスもいらないのだが、Epsonでカスタマイズするより、こちらのおまかせセットのほうが断然安いのだった。
それから数日、完全にLenovoがメインとなりつつある。

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大きな画面2つのデュアルディスプレイにして快適!

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久保田生原酒

朝日酒造の久保田生原酒を頂きました。

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近頃は日本酒がどれもおいしいし、獺祭なんていうお米に失礼なくらいお米を削ったお酒がもてはやされているので、久保田の名前にあまり有難みを感じなくなっているのだけれど、私は、昔から越州とか朝日山とか朝日酒造は好きです。

とはいえ、これは濃い~いんです。千寿ベースのしぼりたての生原酒だそうですが、アルコール度数19度。ちょっと苦手かも……と思いながらも、なんだかんだあっという間に飲んでしまったのだった。たぶん、濃いわりにすっきりしていて美味しいのだ。うんちくを語りつつも、結局あっという間に飲んでしまう酒はうまい! にちがいないと思う今日この頃。

生酒なので、本当は味の変化を楽しむべきだったかもしれないのがけれど、もう空っぽなのだった。



polymerize 重合する

「ビニル系単量体を重合し、片末端に反応性官能基を有する重合体を合成する」
というとき
polymerize a vinyl monomer とすることに違和感を覚える。

polymerize の意味をOALD7で調べてみると
”to combine, or to make units of a chemical combine, to make a polymer"とある。
つまり自動詞で使う場合は、原料(モノマー)が重合する(その結果、重合体が合成される)という感じで使う。OALD7の例文は
The substance polymerizes to form a hard plastic. 

そして他動詞の場合は、重合してできたものが目的語になるということと理解できる。

日本語で「ビニル系単量体を重合し」というとき、ビニル系単量体を目的語にはできないということだと思っていたのだが、いろいろ調べてみると意外とあいまいに使われている。

ネット上のフリーの辞書にはこんな定義がされている。
to subject to or to undergo polymerization
to convert two or more molecules into a polymer

 polymerize monomers into dimmer
 polymerize monomers to form polymer
などという使い方も散見される。

あまり考えすぎないほうがいいのかもしれない。




電気ブラン

電気ブランを頂いた。

まだ20代の頃、会社の上司に浅草の神谷バーに連れて行ってもらったときに飲んで以来のお酒。
ブランデー、ジン、ワイなどのお酒が混ざったカクテルとでも言おうか。薬草なども入っているのかちょっと薬臭いが、ロックで飲むと結構いける。

まっさんが国産ウイスキーを作る前の時代に生まれたんだろうな、と思いつつ頂く。

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しかし、甘さと薬臭さがね……ということで、半分以上はリンゴジャムに化けてしまった。出来上がったリンゴジャムは最高に美味!

水切りヨーグルトとこのリンゴジャムをたっぷりのせたトーストがマイブームな今日この頃である。


藍染の化学

前回、藍にはインディゴが含まれると書いたが、正確にはちょっと違うので、藍染をきちんと化学してみたいと思う。

藍の青色の成分インディゴは、緑の葉の中ではインディカンという水溶性の無色の物質として存在する。
Indican.png 
インディカン

インディカンを加水分解するとインドキシルとグルコースができる。
インディカン加水分解 

インドキシルがさらに酸化するとインディゴとなる。
インディゴ生成 
この反応はすくもを作る工程、すなわち、刈り取った藍の葉を刻んで天日乾燥し、水打ちと攪拌を繰り返しながら約100日をかけて発酵させる工程で起こる。出来上がったすくもは青黒い色をしているが、これは青色の成分がインディゴの状態で存在するため。インディゴは水に不溶なので染色に使うことはできない。

インディゴを水溶性の形に変換する作業が、天然灰汁を藍瓶の中で発酵させて染液をつくる藍建てである。具体的には、瓶の中の菌でインディゴを還元して、水溶性のロイコ体インディゴ(還元型のインディゴ)に変換する。
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ロイコ体インディゴはインディゴホワイトとかインディゴ白などとも呼ばれ、可溶性の黄色物質でアルカリ性の水に良く溶ける。このロイコ体インディゴが溶けた染液に布や糸を浸し、引き上げると、空気に触れるて酸化し不溶性のインディゴにもどり、青く発色する。

藍の色 


藍染めは染を重ねるごとに濃い色に染まり、染織の回数によって色の名前が変わるという。

しかし、いいものになると、薄い色も染の回数が少ないわけではないという。

藍を建てる際に使われる菌は強アルカリを好むが、発酵が進むにつれ徐々に適度なアルカリ性に落ちついていく。腐敗を促す他の細菌を抑えつつ、温度とpHを管理しつつ発酵、発色の様子を見ながら、石灰やフスマを適宜加えながら良好な発酵状態を維持するのだが、薄い色に染める場合は、染織の力が弱くなった状態を見計らって布を浸し、その弱い状態で何度も染織を繰り返すのだそうだ。

20170313001.jpg 

この水色もそうやって何度も回数を重ねて染め上げたものかどうかは定かではない。でもかなりお気に入りの一枚である。

そういえば、阿波藍染の技術が確立したのは1600年代。16世紀末にフィリピンのマニラ港が開港して太平洋が結ばれて世界がに繋がり、その影響を受けて、外国から入ってくるものを参考にして日本の職人が物を作りたのだと、以前、田中優子さんがおっしゃっていたことを思い出した。(『きもの草子』) そして、日本の物づくりのためにこの時代に科学が発達したのだそうだ。

tag : 藍染

ジャパンブルー

藍染の展示会に行ってきた。

藍にはインド藍、ヨーロッパのウォード、琉球藍、阿波の藍染に使われる蓼(タデ)藍などがある。琉球藍はツネノマゴ科の多年草植物、蓼藍はタデ科イヌタデ属の一年生植物である。

いずれの藍も藍色の成分インディゴを含む。
Indigo.png 

成分の構造が分かってしまえば、しかも意外と単純な構造なので、1900年ごろには合成インディゴが製造だれるようになり、瞬く間に天然の藍は合成染料にとってかわられてしまった。

化学式で書いてしまうと味もそっけもないのだが、天然の藍はその発酵過程などで混入する不純物が色に奥行きを加える。純粋なインディゴ、すなわち合成染料のインディゴで染めたものとは違う風合いがあるといわれている。しかし、残念ながら私にはまだよくわからない。

今回の展示会は阿波藍。

阿波で藍染めが盛んにおこなわれたのは江戸時代から明治時代。その後は合成染料に圧されて衰退。その後、阿波藍を保存・振興しようと、人々の阿波藍復活の気運が高まり、1966年を境に復興し、現在は少ないながらも一定の生産量を保っているとのこと。

阿波藍染めは、蓼藍を「すくも」というものに変えて、それを染料として用いる。すくもは、藍の葉を乾燥させ、水打ちと攪拌を繰り返しながら約100日をかけて発酵させたもの。高度な技術と手間が必要なため現在は徳島以外では見られないという。

こうして、染料のすくもが用意され、次に染の工程に入る。

すくもと天然灰汁を藍瓶の中で発酵させて染液を作る。この作業を「藍を建てる」というのだそうだ。天然素材だけで作る藍染は、気温やさまざまな条件によって、仕上がりがまったく異なってしまうため、長年の知識と経験が必要なのだとか。微生物という生き物を相手にしているのだから、そうなのだろうと思う。

と、「天然灰汁発酵建て藍染」とはこんなに手間暇をかけて染められたのだとレクチャーとも言い訳ともつかぬ話をききつつ、新作きものを見せていただいた。


深い群青色にそまったようなのにはあまり興味はなかったのだが、近頃、縞に心が躍る私の目に留まったのが、これ。

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楽天で2万円くらいで売っていそうだけれど、150万円だそうだ。
糸を染めて織った結城紬だったので90万円くらいかな? と思っていたのだが、予想をはるかに超えていた。天然藍染めなので、染めた糸の中から1本1本、同じ色調の糸を選り分けて織るのだとか。

90万円でも私の購買能力をはるかに超えているのだが、150万円には驚いた。湯通して結城紬の光沢とか質感が伝わっていたら、その値段に頷けただろうか?

どんなに手間暇がかかっていても、縞の着物ってただの普段着だし、そもそも庶民の着物だ。それに150万円の札を付けて商売をする世界、それが呉服業界だ。廃れるべくして廃れていくのじゃないかと思う。

そうは言っても、伝統的な手法で作り上げていく作り手の作りたい気持ちもわかる。伝統工芸同士のコラボレーションも魅力的だ。

そんなジレンマの中、結局、私は楽天で、合成インディゴで染めた縞柄の木綿紬の反物を買って、和裁に挑戦する道を選ぶのだった。

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遠州木綿、1反 6500円也。これでこそ普段着!


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Author:miemama
お着物好きの悩み多き特許翻訳者

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