道成寺 by 能×日本舞踊×一中節
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もう1週間前のことになるのだが、7月1日、日本舞踊西川流師範 西川喜優さんのリサイタル 桃李の会というのが矢作能楽堂で行われたので、とあるご縁から、友人と訪れた。
道成寺という演目は、平安時代から伝わる「安珍清姫伝説」という紀州道成寺にまつわる伝説のもとにしたもので、能や歌舞伎、浄瑠璃などで古くから演じられてきたという。
そんな有名な演目を、能と日本舞踊と一中節(浄瑠璃)とのコラボレーションで演じるというのだ。
会の構成がなかなか粋である。メインの演目に入る前に、紀州道成寺の院主小野俊成氏がゲストで登場し、「安珍清姫」を、お寺に伝わる美術資料の絵巻(のレオプリカ)を使った絵解き説法で、物語を解説してくださったのだ。この絵解きがまた面白く、院主様の滔々と流れるような語り口の説法にしばし魅せられた。
また、美術館でよく見かける絵巻というもが、本来はこのような絵解き説法に使われていたのだと、初めて知った。
さて、メインの「道成寺」は、安珍・清姫伝説の後日譚。安珍を探す清姫が白拍子の姿で紀州道成寺の鐘供養の場にやって来て、安珍が隠れる鐘に飛び込み、蛇体に変化して、安珍に捨てられた怒りに火を吹き暴れるが、僧侶の必死の祈りにでやがて成仏するというお話。
能では、蛇体は僧侶の祈祷で川に飛び込んで死んでしまうとこまでなのだが、一中節では最後に成仏するのだそうだ。今回は一中節の解釈で構成したという。
白拍子を演じるのが日本舞踊の西川さん、蛇体を能のシテ方奥川恒治さん、浄瑠璃に都一中、都了中父子。
3つの芸能が見事に融合されていて素晴らしい演技だった。今度はぜひ能の「道成寺」を見てみたいものである。
最後に、 楽屋にお邪魔して西川喜優さんにご挨拶させていただいた。
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