着物の文様勢揃い@サントリー美術館
▼サントリー美術館で、夏休み企画「おもしろびじゅつワンダーランド2017」が開催されている。
その中のひとつに、江戸時代の女性のきものや能装束などを参考に、自分だけの着物を考えようといコーナーがある。子供たちが楽しむためのものなので、大人の私は展示されている着物を見るだけだったが、文様の勉強になった。
美術展は大概写真撮影禁止だが、この夏休み企画だけは写真撮影OKというので、写真もたくさん撮らせてもらった。
白綸子 梅に熨斗蝶模様打掛(19世紀 江戸時代)
熨斗蝶とは、熨斗と呼ばれる色紙を折り紙のように折って蝶の形をつくったもの。蝶は長生きを意味する。
白綸子地橘亀甲文字模様小袖(18世紀 江戸時代)
能装束 段に流水海松(みる)貝模様縫箔(18~19世紀 江戸時代)
ふさふさとした海藻の「海松(みる」と様々な形の貝を組み合わせた貝尽くし文様を、刺繍と摺箔で表現する縫箔という技法で施している。
能装束 間道縞に桜蜘蛛巣文様縫箔(19世紀 江戸時代)
蜘蛛の巣を張って虫をつまえるように、「幸せをつかめますように」という願いが込められた蜘蛛の巣文様と桜の文様。桜hあ、花びらが散って変わった形になってしまった様子まで、細かく表されている。
納戸縮緬地草花千鳥風景模様小袖(18世紀 江戸時代)
松が描かれている。松は、冬でも葉を落とすことなく、緑色の葉をつけていることから、長生きを意味するおめでたい文様である。
紫絹縮地葦に鷺模様単衣(19世紀 江戸時代)
涼しい水辺で生活する鷺は、暑い夏にぴったりの文様である。絹縮に施した刺繍が美しい。
浅葱紋絽地流水花束模様単衣(18~19世紀 江戸時代)
菖蒲を花束にした文様。その華やかさから、江戸時代の武家の女性に好まれたということだ。文様もさることながら、絽目と地紋の細かさに目が引き寄せられた。
能装束 霧唐草紅白段模様厚板唐織(19世紀 江戸時代)
鳳凰の住処と考えられている桐と、唐草との組み合わせ。唐草文は古くから世界各地で使われた文様である。唐織の見事さに目が奪われた。
能装束 菊水霞模様縫箔(18世紀 江戸時代)
渦巻く川に浮かぶ菊は、中国の伝説に基づく文様だそうだ。不老不死を意味するとのこと。
着物の文様には、幸せでありたいという人々の願いが込められていたのだということを再認識した。
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