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能楽入門2と国立能楽堂ショーケース

能楽入門の第2回は「能舞台に立つ」。

舞台の構造の解説を聞いた後、国立能楽堂の研修用舞台に立ち、屋根のある舞台での音響効果を実際に感じたり、すり足で歩いてみたり、能面をかぶって、そこからの見え方を体験したりした。

舞台の中で聴く謡はよく響いた。謡ってくださったのは、観世流シテ方川口晃平さん。一人なのに。本番では、鼓や笛のお囃子とともに何人もで謡うのだから、かなりな大音響に違いないと、屋根の存在の意義を実感した。

そんな体験をした翌々日は、国立能楽堂ショーケースの狂言「伯母ヶ酒」、能「小鍛冶」を鑑賞した。

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開演前の様子。橋掛かりの3本の松を撮りたくて。

ショーケースは、国立能楽堂が、初心者にも能や狂言を気軽に楽しんでもらえるようにと、コンパクトにまとめて解説付きで開催している公演である。

観阿弥、世阿弥が現在の能の型を作ったとされるが、その型というものが分かってくると、なかなか面白いものだ。世阿弥は、人は有限だけれど、能は果てることがないようにと、型を作ったのだそうだ。

一過性の流行で終わってしまうものとそうでないもの。現代につながっている伝統芸能のには型がある。茶道の作法も「型」なのだろう。

話は少し飛ぶが、政府が進める事業に「クールジャパン」というのがある。それを管轄するクールジャパン機構が、今何かと話題の吉本興業がかかわる事業に多額の出資を繰り返してきたという。クールジャパン機構の純損失は2018年度81億円。累積赤字178億円。その損失を埋めるように、政府の出資額は586億円から721億円へと積み増ししている。自分で自分のことをcool という何ともnarcissisticな政策だということはさておいて、お笑いという海外ではあまり知られていない日本の大衆芸能に限りのある原資が相当に投入されているらしい。

さて、それぞれの日の装い。
能楽入門の日

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麻(たぶん)の着物にユリの刺繍の夏名古屋

ショーケースの日
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夜から雨の予報だったので、濡れてもいいように小千谷縮にすくいの八寸を銀座結びにして。雨に当たってよれよれになってしまった。

         
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