きもの展@東京国立博物館
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猛暑日の昨日、上野の東京国立博物館で開催されている『きもの展』に行ってきた。
予約制で、観覧は90分以内でとのことだったが、展示物が膨大なので90分では見切れない。なのでどうしても詰まる。というわけで結構、蜜な空間であった。
着物の意匠の変遷を鎌倉時代から現代(さらには将来に向けて?)たどるというコンセプトのような展覧会で、文様には時代が反映されていることがよくわかる興味深い展覧会だった。
これまで様々なところで開催されたことのある、ある特定の時代のきものの展覧会を全部まとめたような、でも小袖中心の展覧会とも言える。
「モダニズムのきもの」と題された明治~昭和初期の着物は、現代の着物に直接つながるので、見ていて楽しかった。山の手の奥様方の西洋画風な大胆な柄や帯とのコーディネートは、流行の中にもある種の気品があって美しいし、ビビッドな色の幾何学模様を配した銘仙の豊富なこと。
5年くらい前に泉屋博古館で開催された「きものモダニズム」展で、銘仙を随分見たことを思い出したり、NHKの朝ドラ「エール」で双浦環が着ているきものを思い出したりした。
明治から昭和初期にかけては、だれもがおしゃれに着物を着ることができた時代なのかもしれない。
現在のきものの章には、岡本太郎、久保田一竹、現代的な意匠を伝統的な技法で表現する人間国宝として森口邦彦、鈴木滋人、土屋順紀の作品が並んでいた。鈴木滋人の作品は実物を見るのは初めて。写真ではわからない木版摺の細かさに、これが人間国宝の技なのかと感動した。土屋順紀の紋紗には本当にあこがれる。見るたびにため息が出てしまう。
一竹の辻が花については、2代目の作品は何度も見ているし、先日は展示会で2代目にお目にかかったけれど、自分では着てみたいと思ったことは一度もない。でも、初代の展示されていたものは、きるものというよりは壮大な絵画作品のようで、力強さに圧倒された。
(2代目一竹さんと on August 5, 2020@雅叙園)
そして、yoshikimono がきものを未来につなげてくれるのだろうか? と思いながら会場を後にした。
そうそう、1.5kgもの図録も買ってしまった。装丁にお金をかけすぎなような……。しばらく、展覧会に行っても図録を買うのを控えていたが、貴重な資料になるし、買っておけばよかったと後悔することが多いので。
そして、この日の装い。
永井織物の紋紗(8代目(予定)さんのだと7代目清左衛門がおっしゃっていた)に、小菊の刺繍の名古屋帯。
最近、下にちゃんと汗取り襦袢を着たほうが暑くないような気がする。襦袢が吸った汗の気化熱のおかげかもしれない。ステテコはいていたほうが涼しく感じるように。
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