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ルテニウム担持炭素触媒って

「ルテニウム担持炭素触媒」って、担体はどっち?  担持されているのはどっち?  言葉だけではわからい。
今回の案件の場合、ルテニウムの触媒作用を使うって話。だから、担持されているのはルテニウムで、担体が炭素だと思って調べていると、
"ruthenium-supported carbon catalyst"
というのが結構ヒットして、私、間違ってますか? と不安になった。
でも中身を読むと、ルテニウムが炭素に担持されている。
 "ruthenium-supporting carbon catalyst" で検索すると、こちらは圧倒的に少数派。なんで?

ちょっと発想を変えて、”carbon-supported ruthenium catalyst" を検索したら、これが圧倒的に多くヒットした。ルテニウム触媒だものね。

名詞と分詞をハイフンでつないで形容詞として用いる場合
  • 「名詞ー過去分詞」形は    [名詞]によって~された/る○○
  例えば a battery-powered system  バッテリーで駆動されるシステム
                a water-cooled engine  水で冷却されるエンジン 
だらか
ruthenium-supported carbon catalyst だと、「ルテニウムが炭素を担持している触媒」ということになってしまう。

  • 「名詞ー現在分詞」形は   [名詞]を~している○○ 
  例えば  a light-emitting diode  光を発するダイオード → 発光ダイオード
                 an energy-saving design  エネルーギーを節約する設計 → 省エネ設計
だから 
ruthenium-supporting carbon catalyst だと ルテニウムを担持している炭素触媒ということになる。でも、炭素は触媒ではなく、単なる担体なので
carbon-supported ruthenium catalyst  ってなるのが正解。
あるいは、ruthenium catalyst-supporting carbon.

世の中、意外と誤訳が多い。DeepL も 多い誤訳に引きずられて "ruthenium-supported carbon catalyst”と訳してくれたのだった。

 

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